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羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)
価格:¥ 420
吉村 昭(著)
おすすめ度
熊という怪物と対峙した無力な人間達の恐怖はいかばかりか
『ダイハード』でブルースウィリスが裸足でガラスの床を走らねばいけなかったときの恐怖と痛み 『ジュラシックパーク2』で女性が薄いガラス板の上に放り出された時の恐怖(下は海) 『ポセイドンアドベンチャー』で扉を開くためのハッチが高温に熱せられていたときの恐怖と痛み     それがこの作品には満ちている。 熊が人間を襲う様子、それにただじっと耐えるしかない人間達の恐怖はいかばかりか… 無力な状態で怪物の前に放り出されたときの恐怖…それは声にならない声によって表されている。 これは実際に起きた事件だが、ホラー作品に並ぶ戦慄と緊張感と恐怖に満ちている。

人間は文明の力無しにはちっぽけな存在であるということを思い出させてくれる。
これは映画化しても面白い作品ですので、ぜひご覧あれ♪

実話を基にしたヒグマと行政区長との闘い
100年ほど前に北海道で現実に起こった残酷なヒグマの事件の小説、筆者の同時代の北海道を扱った小説に「赤い人」があるが、いずれも現代の平和で安全な北海道では想像もできないような世界の話で、非常に興味深く読むことができた。人間(特に女性)の味を覚えた人食いヒグマが人間を襲い、対応が後手後手に回り苦悩する行政区長に同情する。実際にああいった状況に遭遇した場合適切な対応が取れるのかどうか、警察やハンターを総動員して駆除に乗り出すが効果なく、結局は人格的に問題のある孤独な熊打ちが人食い熊を仕留めて、仕事が終わると姿を消すといった存在はカッコ良く、まるで必殺仕事人のようなドラマ性がある。マグロよりもこちらの方がドラマ化をしたら面白いのではないかと思う。
ノンフィクション?
大正時代に実際あった獣害を題材にした小説だかノンフィクションだか微妙な作品。
時代背景や土地の説明書きが教科書的。読んでいて退屈。それに熊退治に集められた人数やら、その土地の距離などやけに具体的な数字を説明的になされたりで、伝えたいことがさっぱりわからない、というのか、焦点がぼやけてしまっている。
熊を討ち取る場面もやけにあっさり。
自然と野生の世界に生きた人びとの物語を期待したが、ヘンな社会派小説的な物語で共感できなかった。
人がどう生きるべきかを教えられる
一人の熊猟師が格好いいと言い切れない。それは、自分の世界に閉じこもっているから?自分のやり方を人に押し付けるから? その熊猟師をうまく説得して、人殺し熊をやっつけた区長も格好いいとは、もちろん言えない。どんな生き方をしても、ある側面からは格好いいと見えても、ある側面ではそんなことはないと作者は言いたいのか?! 淡々と史実を作者から目の前に突きつけられた自分はたじろくばかり。 自分は毎日働いて、どう何に役立っているのか。考え込んでしまいます。
カノンのように
 とても読みやすい本です。
 羆を倒す者の条件は「孤独であること」というくだりがこころに残りました。鉄砲や人数をいくら用意しても、たった一頭のクマさえやっつけることができなかったという不思議な現実が、淡々と描かれています。
 難航するクマ退治。次から次へと加勢に現れる人間さまはみな、判で押したように自信たっぷりで乗り込んでくるけど、その思い上がりは木っ端微塵に撃ち砕かれます。同じパターンの繰り返しですけれど、ご覧になって退屈に思われることはないと思います。かえって、現場の情景が濃度を増してくような感じさえします。ちょっと残酷な場面がしんどいですけれど、読み応えがありますよ。

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