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春の嵐―ゲルトルート (新潮文庫)

春の嵐―ゲルトルート (新潮文庫)
価格:¥ 420
ヘッセ(著)
おすすめ度
最高
ヘッセというと「車輪の下」を思い浮かべる人が多いですが、僕は、本書こそヘッセの代表作と言えると思います。値段も安いですので、文学好きの方は一読されることをお勧めします。

クーンは、若気の至りの暴走の末、片足が不自由になった音楽家です。その障害ゆえに、彼は内気になり、不充足感をモチベーションにして素晴らしい音楽を作っていきます。しかし、音楽は彼に真の喜びを与えてはくれません。

クーンを世間に認めさせたのが声楽家のムオトです。ムオトは、刹那的な刺激の中に喜びを見いだす、一見クーンとは正反対の性格です。しかし、彼もまた、刹那の快楽には、真の喜びを見いだせないでいます。
二人は、お互いの不充足感同士でつながり合い、親友となります。

彼らの前に現れるのが賢く気高い女性であるゲルトルートです。当然ながら二人は彼女に惹かれます。紆余曲折があり、ムオトとゲルトルートは結婚します。しかし、ムオトは、ゲルトルートを強く愛しているにも拘らず、自ら命を絶ってしまいます。死んでから2〜3日後には、ゲルトルートの元に、ムオトが死ぬ前に送った花束が届きます。

あと、忘れてはならない登場人物が、オーケストラのメンバーであるタイザーです。彼は、クーンやムオトとは正反対の人間です。彼は、足ることを知る人物です。彼は、自分の生活に十分満足し、幸福に暮らしています。

このレビューは、本書のおもしろさの1/100も伝えられていません。興味が湧いた方は、一読されて、これらの魅力的な人物が織りなす物語を堪能してください。きっと、「人生の幸福って何だろう」と深く考えさせられると思います。

孤独者へ・・・
孤独者の悲歌。
不具者になったことを機に孤独へと沈んでいく主人公。そして芸術的創作によって唯一、慰めと高揚を覚える彼の前にムオトや、永遠の女性ゲルトルートが現れます。
孤独やそれに伴う恐怖、ささやかな期待やそれを残酷に裏切る絶望を詳細な心理描写で描き出し、精神の幸福を問う傑作です。
私は単純に「今、孤独です」と言う人に読んで欲しいと思います。どんなに寂しくても夜が怖くても生きていかなければならない。
その先に、はっきりとした答えや幸福がある訳ではなくても。それでも人は何かを得、何かを感じ続けるのだから。そんなことをおぼろげながら思います。
詩的な読みやすい作品
後年のヘッセの作品が東洋文化と西洋文化の融合を果たし、哲学的色彩の濃いものだとすれば、この作品は自然や音楽を愛するヘッセの詩的な美しい作品と言えるでしょう。孤独な作曲家である主人公のゲルトルートに対する浄化された愛情と、音楽に対する情熱的な思いが丁寧に描かれている。ヘッセの持つ高潔さと清さが滲み出た読みやすい作品。後書きとして訳者が書き記したヘッセとの対談も興味深い。
芸術作品2
私はこの作品を読む間、3度感情が込み上げた瞬間がありました。読み終えた瞬間、人の生の苦しみに胸を締め付けられる想いでしたが、時と共に、自分の心境の変化と共に、作品の様々な場面が思い出され、人生の美しさも儚さも、尊さも苦しみも、なんと愛しい事かと想われました。ヘッセの作品の中でも、この作品はとても小説らしい小説であって、物語として確かに洗練された大作だと想っています。音楽という要素が使われた事が何よりもそれを完成に導いたようです。
特に“音楽”を愛する人におススメ!
“幸福を享受する道”は、なんて悲しいんだ。第一印象はこうでした。ヘルマン・ヘッセの過敏なまでに鋭い感受性と、情熱的で静かな情愛が、ちらりちらりと主人公クーンを通して、見え隠れする切ない小説です。不自由な体がゆえに、孤独の世界に耽溺してしまったら、人は することによって、心を解放しようとする。自分にとってこのが、何に該当するのか?“音楽”と答える人は、この本にかなり共感できる部分があるでしょう。また、すべての登場人物達に対するクールで鋭い人間分析描写にも感心させられます。恋愛・自虐・孤独・享受のメロディー。私は、これでヘッセにハマリました。ぜひ! ノーペル文学賞受賞作品。

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