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雪之丞変化

雪之丞変化
価格:¥ 3,990
出演:林長二郎,嵐徳三郎,高堂国典
おすすめ度
衣笠貞之助作品
豪商であった両親を謀略でうしない、松浦家を滅亡させられた恨みをはらすことを幼少から教わり育てられた雪之丞は、厳しい稽古をつむことで中村座の花形役者として成功する。長崎屋と廣海屋、そして土部三斎に筆舌しがたい生地獄を味わわせてやることを誓い、静かに彼らのそばで機会をまつ雪之丞であったが、その秘密を女盗人のお初に盗み聞きされ、再三の脅しにあう。

雪之丞の策略が功を奏し、米不足と価格高騰のいざこざから、長崎屋と廣海屋がつかみ合いのケンカをはじめて、すったもんだの末に廣海屋の店が大火事となる。廣海屋の赤ん坊を助け出した雪之丞は、しかし女盗人のお初に赤ん坊をうばわれ、さらに因縁の剣客らとばったり鉢合わせになり、大勢に囲まれ斬りかかられる。そして乱闘の末に雪之丞が落とした忘れ形見の刀から、とうとう土部三斎にその正体を見抜かれてしまう。

あらすじをナレーションでザッと説明する冒頭の20分あたりが退屈なのだが、そこからおもしろくなる。構図やセット、衣装、そしてメイクは見事であるが、ラストの仕掛け天井のオチはややB級映画臭い。しかし坊主&太眉の土部三斎がマンガチックで強烈な好演である。また歌舞伎の舞台裏での闇太郎による悪党一網打尽シーンが、スカッとした気持ちよさをあたえている。女盗人のお初の最期を「背中」で隠す演出もよかった。

文句なしの傑作です
冒頭の旗と町民の撮り方からして凄いですね。これこそが映画的な空間という造形力で圧倒される。
とてもじゃないがいわゆる昭和10年というイメージに収まりきる映画ではありません。
豪華舞台セットをくまなく活かして見せる圧倒的な演出手腕、母の亡霊を見せる際の大胆さ、とにかく映画的に凄い。
無声の活動写真時代から音を持った映画へ、一歩一歩未開の地に足を踏み入れる鮮烈な映画美がここにはある。

評論家の故・淀川長治氏は溝口健二と衣笠貞之助をしばしば並べて、日本で唯一画面に詩のある監督として賞賛しました。
溝口健二はフランスのカイエ誌とその影響下にある日本のシネマ69誌の面々に選ばれた監督ですが、衣笠は選ばれませんでした。
今日の溝口・衣笠の評価の甚大な隔たりはそこに起因していますが、その現状が正しいものではないことがこの映画を見れば納得できるはずです。
衣笠貞之助が映画史に屹立する紛れも無い大監督であることを証明する作品のひとつがこの『雪之丞変化』です。

ただそれだけに再編集せずにそのまま残しておいてほしかったとは思います。(現在残っているものは1952年に再編集した版)
ところどころに入る男声ナレーションの説明がどうも映画の流れと合わない気もします。

私は林長二郎こと長谷川一夫の女形の頂点はマキノ正博監督『男の花道』(昭和16年)だと思います。
『男の花道』での長谷川一夫はこれでもかというくらい女・女・女で演じ抜いており、なんなんだこれは・・・とあっけにとられます。その細部にわたる工夫と技量の練磨は今後どのような役者であっても到達できない境地でしょう。伝統芸能の粋と大衆芸能の明るさが完璧に融合した傑作です。
『男の花道』を見なければ映画における女形とは本当はどういうものなのか誰にも分からないでしょう。
この『雪之丞変化』に興味を持たれた方は是非合わせてご覧ください。

紛れもなき日本映画史上の傑作である、『雪之丞変化』も『男の花道』もいまだDVDになっていません。
一刻も早いDVD化が待たれます。

長谷川一夫(林長二郎)が美しすぎます!
昭和10年の作品だけあって、長谷川一夫(当時の芸名は、林長二郎)が若々しく怪しいほどの完璧な美しさです。今の芸能人には見られない完璧な美貌を見ることが出来ます。物語は、親の敵を打つ歌舞伎の女形が主人公・・というものです。長谷川一夫はこの映画の中でなんと3役も演じております。その中で彼は、主人公の母親も演じているのですが、それが本当に完璧な美女に見えるので驚きでした。後の市川昆監督の同名の映画では、長谷川一夫も随分と年をとっていたので、同役での女装はかなりキツイものがありました。映画全体を見ても、この昭和10年のものの方がスケールも大きく、ずっと素晴らしい出来ばえになっています。とにかく何処をとっても「安っぽさ」を全く感じさせない大作に仕上がっています。観ていると江戸時代にタイムスリップできる映画No1という感じです!

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