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涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫 168-9)
谷川 流(著),いとう のいぢ(イラスト)
おすすめ度
多かれ少なかれそこには後悔があるものだ。
部活、学園祭、夏休み、恋愛Etc.
人間に「過去」が存在し、動物にないのは、
人間は「本能が壊れる」という形で進化を遂げ、
動物は「本能にとらわれた」ままだからだという。
どういうことか?
本能が壊れたことによって、人間は「後悔を記憶」することができるようになった。
満たされなかった思いを未来に生かすために、
「後悔」を「記憶」することで「過去」が生まれ、進化を遂げたのだという。
つまり、その満たされなかった思いをバネに、未来を生きる。
それが人間だと。
(by岸田秀)
確かに、自分の記憶をたどれば、
「満たされなかった思い」は容易にプレイバックできるが、
「満たされた思い」は思い出しにくい。
そこに後悔があるからこそ、次に活かしたいと願うのだ。
そしてハルヒだ。
ハルヒで描かれる高校生活は「完璧な世界」だ。
ハルヒにとってもそうであり、キョンにとってもそうだろう。
読者はそこに強烈なジェラシーを抱く。
自分ができなかった完璧な高校生活を彼らは送っているのだから。
誰にもある青春時代の「満たされなかった思い」を
一手に引き受けているといっても過言ではない。
物語が進むにつれ、そのプロットだけでは引っ張れなくなりつつあるが、
だからがゆえに、次に期待してしまうのだ。
大人が読むとキケン(笑)。


“きよ”は画数の多い漢字なのでひらがなで、
“之”はひらがなで書くより漢字の方が簡単なのでそのままで、
“きよ之”と書いた。
これをおばさんは“きょん”と読んだんじゃないだろうか?
佐々木がキョンの下の名前の読みから推測できたとすると、
そんなところではないか?
画数が多い“きよ”としては“潔”であろうか?
とすると、キョンの下の名は“潔之(キヨユキ)”じゃないかなぁ。
なぁんて、魅力的な登場人物が続々、ますます面白くなってきましたが、
後編「涼宮ハルヒの驚愕」はまだか?
