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円環少女 (8)裏切りの天秤 (角川スニーカー文庫 153-10)
価格:¥ 580
長谷 敏司(著)
おすすめ度
長谷 敏司(著)
おすすめ度
転換点
神人遺物の材料であり、
魔法使いの歴史の転換点に現れる「賢者の石」を巡り、
ついに、公館と神聖騎士団の戦いの火蓋が切って落とされました。
これまでの常識を打ち破りながら、次々と攻め立てる神聖騎士団。
それに対して持てる力を振り絞り迎え撃つ公館。
これらの戦いの引き金となったきずなと仁、
さらにエレオノールも加わり、物語は進んで行きます。
テロ事件以降、
消息が途絶えていたエレオノールの今を知って、始めは微妙な気持ちになりました。
でも、周囲の人間と協力して暮らす彼女は、とても魅力的に映りました。
日々の生活の中で自分が見つけた答えをかみ締め、絶望的とも思える神聖騎士団との対立にも、
ひるまず前に進む彼女はかっこよかったです。
テロ事件で仁がひとつの区切りを迎えたように、
きずなやメイゼルにもひとつの区切りが訪れたように感じました。
その区切りは人だけでなく、協会・公館・神聖騎士団などにも等しく訪れたように思います。
そして、この先どのような事態が訪れるのか、今後も楽しみです。
戦いは終わらない
相変わらず嗜虐趣味のメイゼルにかわらかわれたり、きずなに優しく気遣かわれるという平穏な日々を仁は過ごしていた。しかしそれも束の間。神人遺物の原料《賢者の石》を手に入れるため、神音体系最強の魔導師・聖騎士将軍アンゼロッタが日本へ降り立った。《賢者の石》発見の鍵を握る再演体系のきずなを狙い攻撃をしかける。《公館》は専任係官も少なくなり、しかも協力を得るのも一苦労。京香は様々な策を用意するが敵は圧倒的だった。きずなを救うため、仁は再び戦場へ。数でも装備でも圧倒的に不利な仁はきずなとメイゼル、両方とも守ることは出来ない。彼はどっちを選ぶのか?!
この巻でついにきずなは仁が隠していたことを知ります。そして一巻の戦いの舞台でもあった幻影城もでてきます。《公館》側の動きは少し控えめのかわり、出番が少なかったキャラの何人かが結構物語で目立ちます。シリーズのなかでも大きく動きを見せる巻になるかと。
メイゼルが大きな成長を見せます。小さな魔女はどこまでもまっすぐで、それだけに今回意外な一面を見せたきずなとは対照的に感じられました。でも何ていうか、いい子だけじゃなく人間くさいきずなも嫌いではありません。
気になる終わり方ですので、はやく次巻が出てくれないかな……