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きみにしか聞こえない―CALLING YOU (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 500
乙一(著)
おすすめ度
乙一(著)
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切なさといえば・・・
切なさといえば乙一さん。
何の救いもない世界。
それだけでいいのかとも考えてしまう。
それだけ?


ブンガクの「今」
これはなにより、時間の書き分けがとても上手い作品だ。タイムスリップしたり異次元との交流を描くことは、小説という虚構の世界においてほとんど常套手段ともいえるのだが、ライトノベルとかJブンガクなどと呼ばれる系統のなかでも筆頭と目される本作者の特徴的な、それこそ王道とも言える「自然主義の語り」を採用しながら、しかしまったく異界の方向を示してはいないことが、なにより評価できる。逆に言えば、どんなに破天荒で荒唐無稽でいい加減な物語を捏造しても、それが本来の「自然主義の語り」に即していれば、ただそれだけで純文学の指標にも俎上されるということの証明になっているのではないか。評価できる、なんて大上段から言ってはみたものの、実はなによりも、そのことが衝撃となっているのだ。まさか自分が(これまではいわゆる純文学しか読まなかったし、読めなかった)、ラノベを読めるとは思っていなかった。時間の書き分け、に話しを戻せば、映像ならいくらでも分かりやすく場所移動や時間移動が可能だ。言うなれば一目瞭然なわけだが、これを言葉だけで表現するとなると、やはりそれなりに技術が必要であって、一度でも移動に失敗したら読者の意欲は一気に落ちてしまう。しかし読んでいて、そういった失望はまったく感じなかった。これはやはり、作者の力量と言えるだろう。純文学といっても今ではすっかり幅が広がって、小難しいものはないのだ。頑なに芥川やドストエフスキーにこだわる人種は仕方ないが、少しでもブンガクの「今」を感じたければ、乙一から始めるのが妥当かもしれない。


切ない・・・
普通の恋愛小説かと、思って読んでみたら
ちょっと不思議なお話だった
乙一さんのお話ははじめて読んだんだけど
最近、読みやすい小説しか読んでなかったから
最初はちょっと、読みにくかったかな
でも、気がついたらはまってて、
あっという間に読み終わった
なんとなく先も読めたけど
それでも、面白かった
なんていったらいいのか。。。
「切ない」
この本に入ってるほかの2編も含めて、
「切ない」
この一言かな・・・・
他の本も読んでみたくなったなぁ
上手い!
文章はそこまで特別ってわけでもないのに惹きこまれます。
若い世代の人に結構人気が出るような書き方だと思います。
一文一文が心に直球で伝わってきてとても良い感じです♪
私は今まで乙一さんの本を読んだのはこれが初めてです。
初めて読んだわりに意図が伝わりやすく気に入りました!
この中の物語では「傷」のお話が私的にはおススメです。
途中の挿絵も上手くて良い雰囲気をかもし出しています。
合計で3つお話があるから、読んでいても飽きないです。
まだ乙一さんの本を読んでない人に読んでもらいたいな☆
「闇」の中に一条の「光」
「Callinng You」「傷−KIZ/KIDS−」「華歌」の三作の短編が収められています。
三編とも、世の中から疎外された人たちを描いており、「死」を背中に背負ったような雰囲気もあり、全体的に暗いトーンの作品群です。
でも、その「闇」の中に一条の「光」を見出すような、そんなほっとさせる読後感を持てる作品でもあります。
今度、映画化される「Callinng You」は、この中でも特に幻想的でファンタスティックな作品で、ミステリーぽい感じも最も強く、面白く読むことが出来ました。頭の中の携帯電話という発想も面白いと思いました。