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円環少女 5 (5) (角川スニーカー文庫 153-7)

円環少女 5 (5) (角川スニーカー文庫 153-7)
価格:¥ 580
長谷 敏司(著)
おすすめ度
帯の「踏み潰しなさい。一切の抗弁も許さずに」が何と重いことか
 奪われた核爆弾を巡って、三つ巴の死闘が繰り広げられるかと思いきや、搦め手の小競り合いが続く第五巻。  停滞ムードで盛り上がらないなぁと思っていたら、まさか最後の最後にあんな展開が待っていようとは。  怒濤の展開にしばし唖然。否が応でも続きが気になります。

 但し、全体的にエピソードが散漫で、中だるみするのも確か。
 最後の怒濤の展開の為のタメだとしても、それはあまり上手くいってないかと。
 それでも続きが気になって仕方がない。
 読み終わった後、本の帯の「踏み潰しなさい。一切の抗弁も許さずに」という言葉の意味に気付き、愕然としました。
 愚か者の決断だとしても、仁の決断が彼に幸を与えんことを。

それぞれの立ち位置
 前巻からの引き続きで、徐々に物語が一か所に収束し、
さらにここから何かが変わって進んでいく予感が感じられる
終わり方が良かった。

 1巻から登場しているエレオノール・ナガンが葛藤の中で
出そうとしている答えが、武原仁が進む道と今後交錯するの
かどうかに注目している。

 また、<協会>に対して、良いように劣勢に立たされている
<公館>が今後どう挽回し、今回の事件に決着をつけるかは、
前回のグレン事件からの流れも踏まえて、楽しみだ。

 様々な人間がそれぞれの立ち位置で物語と関わっていく群像
劇として、厚みが出てきておもしろくなっている。背景としての
世界設定もだいぶ説明がこなれてきたと思う。再演大系について
の謎も徐々に明らかになりつつあり、今後の作品の中でどう核心
になっていくか期待している。

 しかし、期待や楽しみが増えるほど、次巻以降の結末が気に
かかってしまう。色々な思惑を持った人間が会する地下で、主人公
たちだけでなく、それを読む私たちも納得できる結末を迎えることは
できるだろうか。それから、今回の物語の最初に出てきた武原舞花
の「泡」について、その謎は今巻でも明らかにならなかった。

 そうした諸々の結末が次巻以降に持ち越しになり、事の顛末を
見ることによる快感をお預けにされている読者は、なによりも
メイゼルの喜ぶ対象となっているに違いない。

仁の決断
銃を手にした魔法使いの協力により、核弾頭がテロリストの手に渡った。きずなと神和も囚われの身となっていた。核弾頭奪取のため、魔法使いたちを再び完全に恐怖で屈服させるため、《公館》は専任係官を招集し、総力を挙げて挑む...

今回は、重要人物たちがほとんどみんな大変なことになってます。仁もメイゼルも、きずなも、みんなみんなどうなってしまうのでしょう...おまけに、5巻は4巻の続編なのですが、これまた、「次巻に続く」、なのです。中でも、仁とメイゼルの大変具合は、「おいおいおい!どうすんだよ!これから!しかも、ここで終わるか!?」と突っ込むしかないぐらいひどくて、なので、中身にほとんど触れられないのです。ただ、仁がある大事な決断をしました。それが今後、彼の運命をどう変えてしまうのか...続きが楽しみです。

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