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新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉 (角川スニーカー文庫)

新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉 (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 560
水野 良(著)
おすすめ度
ライトノベル・ファンタジーの歴史の一区切り
 スタンダードは、最後までそれを通してなんぼ。ストーリーがさきよみできてしまうのは、スリルが不足するものの、そもそもスパークと小ニースがくっついて、パーンがドラゴンボールの孫悟空の立場というのもわかるし、遣り通した、といえるシリーズ末でしょうか。

 事件としては、本来は3冊したかったのではないか、という思われるほど詰め込まれている。ロードス本土での対応とそのドラマ*1、スパークの試練、城の奪還*2、ラスボス戦。ライトノベルでは重厚にしすぎるのは問題があるので良いのかもしれないが、翻訳ファンタジーを読む私の中では物足りなかった。

 余計なことだと感じたのが、パーンが大陸にでも渡ってみるか、と考えるシーン。パーンの主観で考えている場面で、パーンというキャラクターはどうとも思わないかもしれないが、シリーズの最強キャラが他の作品*3のキャラクターにアレクラスト本土に呼び出されている、という状況は、「シリーズ最強の戦士を呼びつける、より強い奴がいるのか。」と思わせられ、シリーズの格がやや下がった印象をもってしまった。*4

*1:とはいえ、ここでは会議室で決着してしまう。
*2:苦労人が苦労しつつ到達すると…。
*3:『魔法戦士リウイ』シリーズ。『ソードワールド』のルールに縛られずに展開されたシリーズだが、フォーセリアの存亡までリウイが防いでしまうらしい。2007年10月現在は未完。パーン、ディードも『魔法戦士リウイ ファーラムの剣 呪縛の島の魔法戦士』で登場するとのこと[参考:Wikipedia「魔法戦士リウイ」]。『剣の国の魔法戦士』刊行当時に読んで、ゲームから離れたものになるのが見えたため、その後は未読。そのため、リウイでパーンとディードがどのように描かれていても気にはならない。
*4:アレクラストに比べれば、たしかにロードスは田舎の島国ですけどね。

ロードスという島がある。……というシリーズがありました
『新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉』です。新ロードス島戦記の最終巻であり、大きくロードス島シリーズの最終巻でもあります。

正直な話、この巻まで読んでいる人というのは、『灰色の魔女』の頃からの古株ファンが多いと思います。古株ファンと新規ファンでは、シリーズ終了の感慨もかなり温度差があるかもしれません。

本巻単品の評価としては、スレインとウッド・チャックがいい味を出していました。特にスレインは普段は冷静ですが、情熱的な一面も見せてくれます。
その代わり主人公スパークは、玉座を取り戻す戦いが省略されているなど、やや不満です。パーンはまあ格好良かったです。
本の厚さもですが、情景描写等も薄く、話も駆け足に感じました。ロードス島シリーズ全体としては蛇足的な位置づけなので仕方ないかもしれません。

ロードス島シリーズ全体としては、やはり偉大な作品であることは否定しようがありません。長く続き過ぎた終盤は惜しかったですが、このシリーズと出会えたことは良かったと思います。評価の☆4はロードス島シリーズ全体としてのものです。

ロードス完。しかしパーンの冒険は続く。
ガキんちょの頃から読んでいた、ロードス島シリーズにピリオドが打たれました。このシリーズを読んでいなかったならば、ファンタジー小説に興味を持たなかったかもしれないし、ライトノベルを表紙買いする自分は、今日現在いなかったでしょう。完結し、あらためて存在の大きさを知りました。

ソード・ワールドにおけるロードスをめぐる戦いは幕を閉じましたが、作者はこれからもソード・ワールドを舞台にした、多くの物語を書き続けてくれる事と思います。ロードスを読破して喪失感を味わっている人は、クリスタニアも読みましょう。シリアスな物語と美麗な挿絵が良い感じです。それと魔法戦士リウイもオススメです。最初はロードスと違うテイストに戸惑うかもしれませんが、次第にシリアスになっていきます。実はリウイ本編で一度だけ、パーン達とリウイ達は共闘しています。新ロードス島戦記〈6〉で、パーンが呼び出されるのを待っているという魔法戦士こそ、リウイに他なりません。今後パーン達が主役の物語が書かれることはないと思いますが、リウイだけでなく作者の今後の作品に、ひょっこりロードスの人物が顔を出すかもしれません。そう考えるだけで、作者の今後の作品が楽しみです。

僕にとっては
 中学時代から読みつづけたロードスの完結。水野先生にはおめでとうと言いたいです、同時にありがとうとも。
 僕にとってはロードス=パーンの物語なので、大味な魔法武器ばかりが登場する「リウイ」とコラボしたり、正編の頃には構想になかったであろう伝説の「ナシェル」の存在が新編でやたらと影響を与えているのも甘んじて受け入れてきました。がやはり、「指○物語」的であるとは言え、祭器である支配の王錫を壊すには火竜山の火口に飲み込まれなければならない小説版ロードス正編(全7巻)の落ち着いた描写をこよなく愛する者としては(OVAで粉々になる画を見て絶句した。アニメはちょっと苦手です)、パーンの母親が存命と聞かされ愕然とせざるをえません。正編1巻では、テシウス(父)の死後、逃げるようにアラニアへと渡りパーンが10歳の頃、流行り病で死んだのではなかったか。別に重箱の隅を突きたいのではなくて、一人で生きていく為に傭兵になったパーンだったから、友人エトと2人でゴブリン退治(懐かしいね)に行こうと思えたんじゃないのか、と思えば、冒険の始まり自体に齟齬が・・・いや、う〜ん。ファンの皆様は如何がお考えでしょうか。僕はダメ、でも先生お疲れ様でした。
削り過ぎだろう・・・
期待の最終巻だが、どうも内容を削りすぎて、軽くなりすぎてる感がある。
本自体も非常に薄く、単なる歴史年表的な流れが目に付く。
そのため、「後でまた読みたい部分」とか、再度読んでみて「こんなシーンがあったのか」という新鮮さがほとんどない。
一度読んだら「ふーん」で終わってしまう世界である。

また、このシリーズ全編を通して言えることだが、主役であるはずのスパークが型どおりのリアクションしか見せてくれないため、旧作「ロードス島戦記」の主人公パーンほど、感情移入ができない。
逆に、本作では脇役であるはずのパーンやヴェイルといった人物の方が、ユニークなエピソードが多数並んでいて、個人的には彼らの方の印象深い。

結局、スパークという人物は、旧作での後半で活躍した頃のキャラクター像から何ら「成長」していないため、いまいちインパクトに欠ける主役なのではないだろうか。
無難な予定調和しかしてない話の展開も、それに拍車をかけているように思う。

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