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密会―アムロとララァ (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 520
富野 由悠季(著)
おすすめ度
富野 由悠季(著)
おすすめ度
解説書として
そうか、ララァとアムロは密会だったから2人にしか分からなかったんだ。
密会だったからこそ、それが垣間見れたことが希望として感じられたんだ。
めぐりあい宇宙のラストで見せてくれた希望の光がなんだったのか解説してくれる良書
とにかく読んで損は無い(個人的にはもうちょっと挿し絵が見たかったので星4つ)
角川ミニ文庫から出ていた2冊を1冊にまとめたものです。これは、原作者であり総監督でもある富野監督の手によって、映像版の機動戦士ガンダムの原作となるべくして書かれたものです。つまり、何年も後になってこの小説を読み、アニメのガンダムを見たときにこの作品が原作なんだと思えるような構成になっているということです。角川スニーカー文庫から出ているファーストガンダムの小説はご存知のとおりアニメ版とは異なったストーリーとして成り立っています。また、複数存在するファーストガンダムのコミックなどもアニメ本編とは微妙に異なった解釈を含んでいます。しかし、この作品はそういったファーストガンダムの紙媒体における広がりに一定の枠線を引くため、徹底して映像作品の補完に取り組んでいます。主にララァの視点で進むお話ですが、ガルマが死んだあとシャアは何をしていたのかや、ニュータイプ同士の出会いにおける精神論など、本編を補助する内容に留まらず独立した作品としても読み応えはあります。ファーストガンダムの終盤部分が放つカルトチックなテイストを凝縮させた一冊であり、その意味ではロボットアニメの小説という期待を持って手に取られるとイメージと若干違うかもしれません。しかし、これまでのファーストガンダムの解釈がミリタリー寄りになりすぎていたせいか、ガンダムのもう一つの柱であるニュータイプについての考察や推敲はおろそかにされてきた感があります。この本はもう一度原点に立ち返り、真に監督が描きたかった「ガンダム」というものを実感させてくれます。文庫本で富野節を浴びたい人、宇宙世紀の年表の穴埋めに新しい視点を持ちたい人などはぜひ読みましょう。特にニュータイプ論を語る上では外せない一冊だと思います。


普通との相違
作中には「普通の少年」を意識して描かれたアムロが、ここでは「普通を演じてきた」少年であったことや、ララァの過去(私にはありきたりにすぎたが、無意味に壮絶過ぎる過去を描写されるよりずっとよかった)がよくわかります。ニュータイプとは、何かを失い代わりに得ていくものであると感じていますが、この本を読むとその輪郭がより鮮明に分かる気がしますね。


ガンダムのショートストーリー
機動戦士ガンダムのショートストーリーの中に、各キャラの心理描写などを織り交ぜて書かれています。TVではあまりわからなかった各キャラの心理状態がよく解ります。

