機動戦士ガンダムSEED 5 終わらない明日へ (角川スニーカー文庫)
価格:
¥ 630矢立 肇(著),富野 由悠季(著),後藤 リウ(著)
おすすめ度
辛口ですが
全5巻読みました。
キャラクターの心理、MS、背景などといった細かくて
アニメでは伝わりきらなかったところがわかりやすく描かれていました。
中盤のアークエンジェルの行方や、
サイ、ミリアリア、カズイといったクルー達の葛藤なんかは読み応えがありました。
核や遺伝子の問題など、現在我々が抱える問題を取り入れているのも考えるものがあります。
しかし最終的にこの物語は何を伝えたかったのだろうか?
友情や愛を散りばめているのはわかるが、肝心の根っこの部分がわからなかった。
結局キラ、アスラン、ラクスのお花畑的な展開で終わったという印象を受けた。

第五巻
「人は妬み、憎み、殺しあう」というラウの言葉とともに
地球連合は核ミサイルを、プラントはジェネシスを互いに発射します。
人間は殺しあって滅亡する運命にあるという無気味な旋律が辺りを響きわたります。
しかし、「――生きる方が、戦いだ!」(410頁)そして
「それでも・・・・・・(中略)――護りたい世界が、あるんだ!」(412頁)
というウズミが宇宙に植えた若人たちの希望の叫び声が、
絶望が覆う中で、光を放ちます。
確かに、キラは自身の憎しみでラウを突き刺したので、憎しみは残りました。
しかし、そこには希望の光も同時に輝いていました。
戦争とは何かを問いかけたシリーズはこれで最終巻となります。
このシリーズでは憎しみという人間の負の感情が戦争の主因となっています。
注文をつければ、戦争を引き起こす要因として、人間の感情以外に
経済などの他の要因をからめればよりリアリティは増すと思いました。
人間の感情にウエートを置きすぎのように思いました。
ところで、紀元前404年アテーナイで寡頭派と民主派との間で内乱が起き、
前403年に和解協定が結ばれました。
この和解協定には「アムネスティ」を適用することが盛り込まれました。
「アムネスティ」とは内戦の時に起きた出来事を「水に流す」ことです。
同胞同士が傷つけあったという心理的な傷を治す狙いがあったそうです。
(桜井万里子 『いまに生きる古代ギリシャ』 NHK出版 2007年 172-174頁)
憎しみがこみ上げても相手を破壊したいと思っても、
相手の加害行為を「水に流す」ことで暴力の連鎖は防ぐことは
害を受けた人のことを考えれば、大変困難です。
しかし、人類史上、「水に流」して暴力の連鎖を断ち切ることが
できたことは人間として忘れてはならないことであり、そして
戦争がなくならない今日において輝く希望だと私は思います。
【印象に残った言葉】
<撃たれるいわれなき人々の上に、その光の刃が突き刺されば、
それはまた、果てしない涙と憎しみを呼ぶでしょう・・・・・・>(282頁)
「腕の中にいる互いの生命こそ、奇跡なのだ。」(416頁)

アニメ本編で言えば第四クール
一応宇宙に飛び上がり、エターナルとの合流を果たすシーン〜終わりまで小説化したものであります!!
流石に小説だけであってキャラの描写や心情もより本編より詳しく描かれております!!
特にナタルが犠牲になるシーンの小説部分は読んでて痛々しいですね・・・。

アニメを見ていない方にもお勧めします!
機動戦士ガンダムSEED小説版の最終巻です!戦争の峠を迎え、さまざまな人間の思惑が細やかに表現されています。また本編ではよく分からなかった、ラクスがキラに指輪を渡した理由や、アスランがカガリに恋愛感情を持つようになった理由などが書かれています。キャラクターの心情や、背景が書かれているので、一度アニメを見てから小説を見ると、かなり自然に頭の中に入ってきます。アニメで、何か分かりずらいところがあった・なんか物足りない、という方はぜひ!!!戦争の悲惨さと悲しさを学ばせてくれる物語の完結編。アニメを見ていない方でも、このSEEDを読めば戦争の悲しさが実感できると思います。涙すること間違いなしです!!!

アニメで困ったら読んどけ。
まあ、福田監督がアレだとか、かつてのダグラム宜しく後1クール延ばす事が出来たらとか、作画が困ったとかで途中から放送を見なくなっちゃったりした人も多いでしょうが、1-5まで通しで一気でどうぞ。当方が感じる限り、芥川賞のアレで大損こくより確かな満足である。惜しむらくはこれだけの内容をたたき込めるほど、アニメの制作会社の体力が無いって言う今の日本の現状かな?まとめきれなかった監督への文句は標準意見なので改めては出さない(笑)そう、実はアストレイが控えているのである。このさいそっちも買っちまいましょう。脳内のワイドスクリーンに飛び回るモビルスーツを妄想するが吉!
