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アウトニア王国再興録〈5〉でたまか 青天霹靂篇 (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 630
鷹見 一幸(著)
おすすめ度
鷹見 一幸(著)
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アウトニアサーガ第2部完結編。
「アウトニア王国」シリーズは、第1部の「奮戦記」3部作を含めると第2部完結編の本書を持って8冊にわたる長編作品です(作者のあとがきによると第3部も執筆されるみたいなので少なくとも10冊以上はいくのではないでしょうか)。
本書では、第1部の衝撃のラストの後、王国再興のために尽力する主人公マイド・ガーナッシュとその仲間達が、劣勢にもかかわらず帝国の攻撃を“でたまか戦法”と呼ばれるやり方で凌いだ事で自分達を支持する勢力を増やしていきます。そういった中で先帝派と現皇帝アリクレスト派の間で起きた帝国内部の大規模な内乱でどのような動きをするのかについて書かれています。
改めて考えると、この第2部はマイドの一人称で展開した第1部と異なり三人称で話が進むだけに物語の大きさを感じました。第一部ではある意味局地戦レベルだったものが、第2部ではここに至っては数十万隻もの大艦隊がぶつかり合う大規模な会戦が展開されるからです。さらには皇帝となったアリクレストも最初は大貴族の鼻持ちがならないボンクラ息子だったのですが、ここにきて冷徹な専制君主さらには主人公のライバルとしての存在感が感じられました。本書を読めばわかるのですが、相当トンでもないことをやらかしてくれます、彼は・・・。
予定されている第3部は、銀河を二分する人類勢力同士の抗争が小さなものに過ぎなかったというような感じでより大きな方向へと物語が展開していくみたいですが、どのようになるか期待が高まります。