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アンダカの怪造学〈5〉嘘つき魔女の見つめる未来 (角川スニーカー文庫)
日日日(著)
おすすめ度
この巻では、既刊でバラ撒いた種が花開いたという感じでしょうか、色々と予想をたてて読んでいる方には面白い巻だと思います。一巻などでは既に読者が気がついてるレトリックを大々的に表現している部分がありましたが、この巻ではあまり気になりませんでした。
また、単発だと思っていた多数のキャラクター達もこの巻では少し不自然にも登場してくれて「あ、久しぶり」といった感じでした(慈磁道先生が出てないけどね……)
そして、第二部からは表紙のデザインとロゴが新装になったということですが伊衣→舞弓と来るともう次は彼しか居ないと思います。が、あえて六巻は、まだ見ぬ生前空井滅作が表紙で!
日日日がデビューした年には十代作家が大量に出てきたが、今現在で最前線に生き残っているのは数少ない。
日日日が生き残ってこれた理由は、常に新しい構成や表現に挑戦する姿勢があるから。
今回も、学園祭を主軸にしたライトノベルは数あれど、このような構成のものは見たことがない。
彼が二十歳になった現在、十代という看板を失って余りある技術を手にいれていると思う。
デビュー当時、うるさく騒ぎたてていた周囲に頓着せず、ひたすら作家としての技術を磨きつづけた日日日を評価したい。

今までの中で最厚の本となりましたが、内容としては結構薄いものになってしまったかなー、と思います。
裏で動いている事件としては今までで最大規模になっているのに
主人公サイドからはどうもその大きさが見えづらくなってしまったのが原因でしょうか。
まあ裏で巨大勢力が操る、という設定だったので致し方ないのですが、もうちょっと表現を頑張ってほしかったです。
キャラも、前巻で意味ありげに退場した人があっさり登場したり、結局今巻では事情がよく分からない新キャラが出てきたりしてちょっと外している感がありました。
まあ新キャラに関しては次巻以降に期待、ということで。
もちろん良いキャラも出ましたよ、ツンデレ爺さんとかw
最後の学園祭ネタは個人的に微妙だったかな・・・
むしろ力でなく、こういった方法で解決するのが主眼だという立場からすると
この肩透かし感はむしろしてやったり、なのでしょうが。
表紙にまでなったあのキャラが○○○姿で暴れまわるのが唯一の見せ場ってのが悲しい・・・w
マイナス面ばかり書いてきましたが、裏を返せばそれ以外は概ね満足でした。
ストーリーも着々と進み、伏線も良い感じに張り巡らされてきており、次巻以降の展開が楽しみです。
テンポよく読めるのに、何かすごく難しい印象があります。召喚ものなのに、あんまり怪物でないし、戦わないし、討論と陰謀と騙しあいと、それが中心なのは珍しいと思います。
でも、それでも面白い。変で難しいのに、面白い。
独特の文章と世界観の作者だと思います。萌えや笑いも、ちゃんとあるしね。
とりあえず今回は、教祖誕生が最大のみどころ。どこまでいくの、この女の子。小説としての面白さは日日日のなかで最高だと思います。

とはいえ、そこは日日日。一度読み始めるとテンポよく一気に話しが進みます。
今回は、崩壊した学校の再建がされ、校長の企みのもとに学園祭が開催されます。
今までは、「改造生物は友達」という考えは理解されていませんでしたが、前回の事件がキッカケとなり、
その考えを共有する人が増えた事により、これからは広めるだけで無く、周囲に理解させ、納得させるという段階に
進みはじめました。また、「大公」「魔王」「激流院潮静」「肉体道楽」「物造」という今後のシリーズの鍵を握るであろう話が詰め込まれているので今後の展開を期待してしまう内容になっています。
