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オーラバトラー戦記〈9〉オーラ壊乱 (角川スニーカー文庫)

オーラバトラー戦記〈9〉オーラ壊乱 (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 620
富野 由悠季(著)
おすすめ度
やっちまってないか、スティーヴ(北海道)?
子供のころ読みましたよ、これ。もう15〜20年くらい前ですね。 結構面白かったですよ、ダンバインとはまた違っていて。今でも読んでる人がいるんですね。

ちゃんとした評価をするのはなかなか難しいものですが、これは科学批判が主題の小説では
ないし(そもそも大したことは言ってないし、強い主張もない。子供のころに勘違いした覚え
もない)、科学理論を核にすえて書かれたものでもないので、そんな意味のないことを取り
上げてけなしても評価にはならないし、誰も得しません。

知恵や知識が増えた分見えなくなることはよくあることで、頭のいい人は気に入らないこと
を受け入れることができなくて世界を狭めてしまう。勝手な思い込みなんかもそうですが、
我々はみんな自覚なしに恥ずかしいことをやってしまう俗物ということでしょう。
もしかしたらそれが作者の言いたいことかもしれませんね。
(指摘箇所について、説明が足りないからバカだという解釈は無茶だ。基本的な世界設定と、
技術屋やものづくりについてちゃんとわかっていれば問題ない。ここでの式でショット係数
が何をあらわしてるかは不明。勝手な想像でえらそうに否定するのは恥ずかしい。その他
諸々から思うに、まともに本が読めてるのか疑問だ)

小説としてみると少し弱いところがありますが、異世界ファンタジーとしては世界がしっかり
つくられているので、若い子には十分面白いですよ。子供でも気づくような設定の矛盾とかが
ちょこちょこありますが、そんなのは別に大事なことじゃないので気にしない、気にしない。


やっちまった!
 本文71ページの五行目から引用

城 毅 「オーラ・エナジーの存在と実用化をしめした公式にショット係数というもの
    があるけれど、あれだって、しょせん、目の前にある機械の表面面の帳尻合わ
    せだったんだろう?」
ショット「手厳しいな。しかし、あの公式だってオーラマシーン建造と運用にはつかえ
    たぞ?」

 見事にやっちまってます。この人は科学についてわかってないという事実をこのわ
ずかな会話が雄弁に物語っている。
 まず第一文、自然界の諸法則の数式は現象をもとに様々な仮説や実験をもとに生み
出されたものなので確かにその通りであるが、なんだかまたしても誤解を招きそうな
表現だ。
 続いて第二文、当たり前です。目的を達成するために数式を簡略化し、条件を動か
しても全く変化しない数をまとめて定数化しているのだから当たり前。それを発案者
のショットが理解していないというのは明らかにおかしい。つまりは富野が理解して
いないというだけのことだろう。それに係数という表記は細かな物理現象について使
われるので、たぶんここでは定数と表記した方が正しいように思われる。
 まあ、この時点で本作は科学批判のプロパガンダ書籍になり下がってしまったよう
で、この先どんな間抜けな理屈が飛び出してくるかという方に興味が出てきてしまっ
た。それにしても富野は理科系の人間に何か恨みでもあるのだろうか?確かに科学者
のエゴが招いた悲劇も数あったが、富野の主張はあまりに偏り捻じ曲がっている。も
ともと変なことを言う人間だとは思っていたがこれは行きすぎだ。
 それにしても富野、カミカゼ特攻大好きだよな。いくら愚かしい戦術であったに
しても飛んで行った隊員までコケにするのか?
 やっぱり九巻も部分的に面白いところがあったので星二つだが、クォリティは相変
わらず。

 名指しの批判があったので驚きましたが、本編および私のレビューをもう一度よく
読まれた方がよろしいかと。解釈の是非についてとやかく言うことはないにしても、
小説の中では聖者も罪人もその言動は作者に意思のままということを踏まえて考えて
みてほしいところです。論点は登場人物の発言の意味よりもその背後にある作者の意
図なので。
 「世界が作らせた」が「インスピレーションが舞い降りてきて、今までどうにも掴
みどころのなかった数式の意味を理解するとまでいかなくとも実用可能な段階までも
っていくことができた」という意味なら話はわかりますが、そうとは読み取れない。
それを読解力不足とおっしゃるならそのご指摘は甘受いたしますが。
 係数と定数の使い分けについても落ち着いて再読して下さい。反発係数や摩擦係数
と、ボルツマン定数やプランク定数のあり方が違うということを理解されているので
あれば、少なくともこう考えた気持ちくらいはわかっていただけると思います。

 まあ高校生くらいまでは大ファンだったんですよこの作者の。本作も熱心に愛読し
てましたし。それが最近懐かしくなって再読してみて内容のおかしさに気づいたとい
う次第です。お言葉を拝借すれば知識や経験が増え読解力も向上したからこそ疑問を
持つことができたのだと思っています。
 少なからずやっちまっているところがあるにしても御大将には及びませんよ。

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