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イチゴ色禁区〈2〉秋の神具の奪いかた (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 560
神崎 リン(著)
おすすめ度
神崎 リン(著)
おすすめ度
才能を感じる
二十歳でこの文章力は素晴らしい。同年代のライトノベル作家のなかでは、トップクラスの実力であろう。年齢がまだ若い作家は、官能的なストーリー展開がストレートな表現になってしまいがちなところを、しっかり押さえ込んで清潔感のある表現ができていると思う。キャラクターについては、それぞれ個性的につくられており、全てたいへん好ましいつくりだが、もうすこし、ストーリーに合わせたキャラの登場のさせ方があると思う。読みながら、「なんでここで、このキャラが登場しなければならないのか?」と何度も疑問に思った。しかしながら、総じて、同年代の作家のなかでは作者の実力は飛び抜けており、今後の活躍が期待される。


これからに期待
妄想系19歳男子・正樹と、11歳のいとこスネデレ少女・亜美は神社仏閣を管理する“玉城一族”の血をひく由緒正しき神子で年の差コンビとして退魔仕事をしている。
今回は、玉城一族長の孫である美代と次期当主とされる静馬がでてくる。
1巻でみせた面白さはなかったけどこれからに期待したい。
このコンビのやりとりがやはり見所であると思う。
単純にさくさく読むには問題ない作品である。


読み手を突き放す、卑猥な作品
最初から最後まで繰り広げられる下ネタに辟易。しかも、物語の粗さ・読みにくさといった欠点を、その下ネタで紛らわせようとしているため、ページをめくるのが苦痛でしかなかった。
男女比の都合で登場させられたような幼馴染の扱いがひどく、前回存在感のなかった許婚も、反発が生まれないように、中盤にただ絡ませてみましたといった感じが否めない。スパイスのつもりで織り込んだシリアスな部分(主にアクションが絡む部分)も、幼稚な描写と青臭いだけの台詞で白けるだけだった。あれもこれもと手を伸ばした結果、全て中途半端に終わり、失敗しているといった印象。主人公に一切魅力が感じられないのも、「歳の差」という設定が活かされていないのも、致命的といえる。
語り口調が面白いといった理由で、購入された方もいるのかもしれない。だが、その「魅力」と言われている語り口調=文体は、どうしても『ハルヒ』を彷彿とさせ、しかも粗雑な分、それが劣化したもののように感じる。(作者自身『このライトノベルがすごい!』で、谷川氏の名前を挙げており、多かれ少なかれ氏の影響を受けていることがうかがえる)
また、その語り口調が生み出す寸劇は一本調子であるため、飽きが来やすく、非常に鬱陶しい。
私の周囲が既にそうだが、シリーズが進むにつれ、読み手がどんどん離れていくように感じる。理由はもちろん、受け狙いのうざったい下ネタのためだ。このクオリティでは、ファンが増えていくとはとても思えない。

