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ミスマルカ興国物語 1 (1) (角川スニーカー文庫 150-20)
林 トモアキ(著)
おすすめ度
ドタバタハチャメチャはこの作者のお家芸。地味に過去作品と世界観を共有していたり。
物語の流れ自体はかなりベター。けれどそこがいい!
この大風呂敷がどう畳まれていくか、あるいは更に広がるのか、大変楽しみでありますw
馬鹿だけど実は頭の切れる主人公につっこみ役のヒロイン、冷静なメイドに男勝りに軍を率いる王女・・・と何処かで見た様なキャラばかり。
話も詰め込みすぎでグダグダ、主人公の行動の理由も酷く軽いです。
又、「お・り・が・み」,「マスラヲ」と同じ世界観(「ばいおれんす・まじかる!」は未読の為不明)を持ち、今後深く関わる可能性があります。
未読の方は今後、話に付いていけなくなるかもしれません。

・第一章 ミスマルカ第一王太子 ・第二章 光輝の麗姫 ・第三章 闇を売る少年
・第四章 されど王族の心 ・第五章 獅子と蛇 ・第六章 遥か大陸を目指す
各種設定を見ると現在スニーカーで連載中のマスラヲの設定が・・・
登場するキャラクターも主人公は女好きなぐーたら王子(だけど・・・)そしてその近衛騎士にしてお目付け役?の女性騎士パリエル、そして最強のメイドエーデルワイスと魅力的なキャラクター!
新シリーズですが、読む前に今までの林トモアキ作品を呼んでおくと、所々でニヤリとなり楽しめますよ。
ステレオタイプのキャラと、ステレオタイプのストーリーをドカドカ投入してます。
まあ、それだけならヒットを狙えないでもないのですが、惜しいかな、紙面の配分を間違ってます。
まず、主人公キャラの普段の姿が描ききれて居ないうちから、豹変させるべきではないです。
キャラのイメージができていない時点で豹変されても、読んでいるこっちがついていけず、浮いてしまいます。
主人公に関して何度もそういう事をしてしまっているのが失敗ですね。
ついでに、ただでさえ少ない紙面で主人公の策士ぶりを強調するなら、ドタバタや掛け合いなんて描写するべきではないです。
ただでさえ第一巻。
世界の紹介やら、主人公を始めとする各キャラの第一印象づけやらがある上に、更に一つ事件を起こしてその解決を描かなければなりません。
それだけでもきつい上に、主人公を策士という設定にした事で、あれこれ根回しの場面や、二転三転する状況も出てきます。
薄めのラノベ一冊としては既に詰め込み過ぎだってのに、更に裏設定までほのめかした挙句、ドタバタと掛け合いに紙面費やしてどうするんですか。
雰囲気を伝えたいにしたって一度か二度で充分です。もっと他に描くべきところがあるでしょうに。
しかも、しゃべってるキャラの描写もなく不特定多数で掛け合いをしているため、誰が言ったとも判らぬセリフだらけで読者はまったく置いてきぼりです。
更なる研鑽を期待します。