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最高の馬鹿々々しさ、最高の面白さ

　『秘密結社で行こう！』に続く、シリーズ第２巻。 　単純に特撮ヒーローもののパロディ小説として、最高の馬鹿々々しさと最高の面白さを誇ります。「脱力系」あるいは「和み系」という奴でしょうか？　抱腹絶倒を惹き起こすのみならず、幸福な読後感を与えてくれる本です。理屈抜きに楽しめます。

　そして注目すべきは論理的整合性の高さです。この点に於いて本シリーズは、類似作とは一線を画しています。同テーマの作品が、どのような「理屈付け」で「特撮ヒーロー的ストーリー」を動かすか腐心しているのに対し、この〈秘密結社３部作〉は、逆に、特撮ヒーローにおける「お約束」を厳然たる「公理」として作品世界を構築しているのです。その手腕は精緻なまで論理的であり、見事というより他ありません（これはもう、ＳＦとして０３年の国産作品中ベスト５に入るのでは？）。
　更に、エンターテイメントの追求にかける真摯な情熱がひしひしと伝わって来ます。

　以上を統合して、僭越ながら結論を。才能・技術・情熱を兼ね備えた本物のプロによる大傑作だと思います。読んで損はありません。