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テイク・ラブ (角川文庫―スニーカー文庫)

テイク・ラブ (角川文庫―スニーカー文庫)
価格:¥ 541
野村 史子(著)
おすすめ度
月日を埋める愛の形
当時は、角川スニーカー文庫で発刊。挿絵は麻々原絵里依女史。現在は日本文芸社KAREN文庫にて再刊行されている。(現行版は定価600円)

物語は主人公が南米エクアドルから15年ぶりに日本に戻るところから始まる。
大学紛争が下降線をたどりはじめた怒涛の時代、当時21歳、学生運動に身を投じる主人公山崎は、南米音楽楽器アルパ(インディアンハープ)の演奏者募集をきっかけに、幼く未熟な15歳の少年、春樹と出会う。
ゲイであった山崎は春樹に惹かれ、いつしか拙い二人の共同生活が始まった。
学生逃走に走り回る山崎。ピアノの才能以外何も持たない春樹。そして実兄を愛してしまった山崎の妹、礼子。三人のもつれた愛情のひずみは、いつしか取り返しのつかない悲劇を生む・・・・・。
互いを求める愛情と、互いを理解する苦悩。そして最後にたどり着いた答えは・・・・。

[小説JUNE](マガジンマガジン社・96年休刊)の投稿作品講評をしていた小説道場終了の折にも、道場主中島梓女史に絶大なる支持を受けた作家、野村史子女史の、数少ない作品の一つ。
芯のある文章能力と、切ない程的確な人間表現が秀逸である。
読み終えた後に、強い感慨を味わえる作品に思う。
また、同時収録された『アウト・オブ・フォーカス』『薔薇はもうこない』も、類稀ないその文章力とその結末に、深い悲哀を味わわずにはおれない。

甘えのない、古き良きJUNESTの作品として、確かな味わいを感じることが出来るだろう。

JUNEの傑作
最高傑作だという人がいるほどのJUNEの名作。今のBLとはちょっとちがう骨太の作品。社会的背景もきっちりと描けていて、なにがテーマでなにが言いたいのかという小説の部分がきちんと書けている。ゲイというシチュエーションに逃げていないこの物語は美しく切なく哀しくそして愚かしい人間を描いていて名作だろう。この人がわずかな作品を残して書かなくなったのが本当に残念。同時収録の作品も質が高い。おすすめ。

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