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帝王『リンドーユミカ』ができるまで。

ありがちな始まり方ですが話はとても魅了的に展開していきます。現代の日本。親友２人を高校を卒業した日に集まってささやかに宴会を開いていた弓香は買出しに出かける。親友を分け合った祖母の残した３つの指輪の一つを指にはめ、異国の首飾りをしていた彼女は、その時、太陽の支配する世界から月の支配する世界、月光界へ界渡りしてしまう・・・。そうして月光界の王国の一つ、水霊の守護が篤い「ザレ」へ出現した弓香は何がなにやらわからないうちに呪司の能力を高める霊獣ムフゾのと出会い、処刑されようとしていた兄弟ミズールとティッチに出会い義兄弟となる。元の世界に戻るため風霊の呪司を探し、弓香が現れたときに連れ去られたレイラ姫を捜すため、３人と１匹は旅に出る。強力な国の守り手のはずの２人にサポートされての旅だが、ミズールはよきお兄さん、ティッチはどこかぽややんとした可愛い性格の人物で、いちずに弓香にせまってくる。とても楽しい珍道中で、読んでいていつのまにか引き込まれてしまいます。後の月光界の世界を支える帝王となるリンドーユミカへの道を意図しないままにたどっていく弓香の旅のはじまりの物語です。