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続巷説百物語 (文芸シリーズ)
価格:¥ 2,100
京極 夏彦(著)
おすすめ度
京極 夏彦(著)
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明かされていく又市一味の過去
◆「野鉄砲」
百介は、実兄である八王子同心・山岡軍八郎から、額に
石つぶてがめり込んで死んだ同僚の事件について、相談を受ける。
百介は、又市の知恵を借りようとするのだが…。
又市一味の、ある人物の過去が明らかに。
堅物ではあるものの、実直で情け深い軍八郎の人柄が、
又市一味と好対照をなし、忘れ難い印象を残します。
◆「狐者異」
大悪党・稲荷坂の祗右衛門が晒し首になった。
彼は過去にも二度、斬首されたが、
その度に生き返る不死身の男であるらしい。
生首見物に来ていた百介は、そこでおぎんと会う。
彼女は生首を見て呟く
「まだ生きるつもりかえ」―と。
不死身の妖怪「狐者異(こわい)」の
正体とは、いったい何なのか?
生首という、いかにもミステリらしい道具立てにより、
戦慄すべき「仕掛け」が浮かび上がってきます。
そして今回、おぎんの出生の秘密も明らかに。

人情話
直木賞を受賞した「後巷説」よりも恐らく、ファンのほうではこちらのほうが人気が高いのではないかと思う、「続巷説」。前作「巷説物語」の続編と銘打っているものの、作品の中は単にその後ではなく続きとあるだけに、前作の行間の裏話などがメイン。
ただ、最終話は前作の時間軸よりも後、更に言うと百介と又一が二人で仕掛けをしたリアルタイムでの『最後の』話にもなっている。
世界が違う二人を繋ぐものがついに変化してしまう事が悲しくて胸が詰まる。
死に別れではないのだから、会える筈なのに、今までの又一との仕掛けからそれはないということがわかってしまっている。別れは随分一方的に、そして百介の事を思っているからこそ、訪れる。
ただ、最終話は前作の時間軸よりも後、更に言うと百介と又一が二人で仕掛けをしたリアルタイムでの『最後の』話にもなっている。
世界が違う二人を繋ぐものがついに変化してしまう事が悲しくて胸が詰まる。
死に別れではないのだから、会える筈なのに、今までの又一との仕掛けからそれはないということがわかってしまっている。別れは随分一方的に、そして百介の事を思っているからこそ、訪れる。
百介が読者とシンクロする役目を持っているためか、思わず泣いてしまった。
話芸でGO!
角川MOOK『怪』に連載の「続巷説百物語」の単行本化作品です。単行本化に当たって、書き下ろしの一編が加えられている他、加筆・修正もありというファンに散財を強いる一冊。
取り敢えず、『巷説百物語』から続く「第一期」完結編といって良いでしょう。
まあ、今では「季刊」ですらなくなってしまった『怪』を毎号読んでいるという読者(私)にとっても、まとめて読める、という点で「買い」の一冊だと思います。
書き下ろしが読める、というポイント以上に、全体の流れを把握する上で非常に有意義な構成になっているのです。
特にこの『続』に関してはそれが顕著。
というのも。
基本的に連作短編集である「巷説」シリーズですが、この『続』には一際長い「死神〜或いは七人みさき〜」が収録されておるのですな。
これが中篇並の分量で御座いまして。
そして、それ以外のお話がこの「死神」に向かって収斂していくような造りにもなっております。これを読まずして「巷説」シリーズを語る無かれ、というのは言い過ぎでしょうか。
尚この「死神」、もとい「七人みさき」は、WOWOWで映像化などされておりまして、その別ヴァージョンであったり、より練り上げられたお話であったりするのですなこれが。
映像の方のファンの方にとっても必読、と言ってしまっても過言ではなかろうと存じます(多分)。
ともあれ。
ある意味直木賞受賞前夜であります京極夏彦さんの、今や「京極堂シリーズ」よりも登場回数が多くなった又市一味の活躍(暗躍?)を堪能できる逸品。
「必殺仕掛人+スパイ大作戦+本格ミステリーをシェイクして、妖怪というエキスを一滴垂らした」なる某書評は至言だと思うところなのでした。
お薦め。

取り敢えず、『巷説百物語』から続く「第一期」完結編といって良いでしょう。
まあ、今では「季刊」ですらなくなってしまった『怪』を毎号読んでいるという読者(私)にとっても、まとめて読める、という点で「買い」の一冊だと思います。
書き下ろしが読める、というポイント以上に、全体の流れを把握する上で非常に有意義な構成になっているのです。
特にこの『続』に関してはそれが顕著。
というのも。
基本的に連作短編集である「巷説」シリーズですが、この『続』には一際長い「死神〜或いは七人みさき〜」が収録されておるのですな。
これが中篇並の分量で御座いまして。
そして、それ以外のお話がこの「死神」に向かって収斂していくような造りにもなっております。これを読まずして「巷説」シリーズを語る無かれ、というのは言い過ぎでしょうか。
尚この「死神」、もとい「七人みさき」は、WOWOWで映像化などされておりまして、その別ヴァージョンであったり、より練り上げられたお話であったりするのですなこれが。
映像の方のファンの方にとっても必読、と言ってしまっても過言ではなかろうと存じます(多分)。
ともあれ。
ある意味直木賞受賞前夜であります京極夏彦さんの、今や「京極堂シリーズ」よりも登場回数が多くなった又市一味の活躍(暗躍?)を堪能できる逸品。
「必殺仕掛人+スパイ大作戦+本格ミステリーをシェイクして、妖怪というエキスを一滴垂らした」なる某書評は至言だと思うところなのでした。
お薦め。

よく出来ています…
『巷説百物語』の続き。ラストが決まっている。そう、来たか…


手に厳しく、目に優しい。
厚さに対して程よく字が詰まっていない目に優しい親切設計(下が空いている…)。悪くいえば改行が多い。(ノベルズ版も親切設計だった)読みやすい独特のリズムで、京極夏彦独特のカッコつけてるんだか笑わせたいんだか分からない「キメ」が続く。ストーリーは「又一と愉快な仲間たち」(百介と、でもいい)が各地で仕掛けたり騙したり復讐したり解決したりと忙しい。夜や闇に属する存在はあくまで現実の人間が正体──としつつも、表現でファンタジーの領域に踏み込もうとしているのが京極風。又一にはじまる裏の存在は、何かにつけカッコをつけてみたりプライベートを隠したがる。そのくせ、一声掛かると一発芸を披露せずにいられない。まるでお笑い芸人だ。だが闇から躍り出て人を驚かすようなオバケの類は、一発芸を披露する瞬間に命を掛けているのだ。その一発の瞬間にかけて、周到に勤勉に走り回る又一たちの努力が見逃せない。百介たちだって困っているが、その百介たちを困らせるために又一たちがどれほど苦労したかも見てやって欲しい。最後、百介のリクエストに応えてしまう又一の姿に、吉本芸人の姿がかぶった。ここまでコキ下ろしておきながら、なんとなく胸が温かくなるのも京極の不思議な業だ。泣けはしない。でも人が温かい。


巧緻に練りあげられた仕掛けやからくりを駆使し、江戸の世にはびこる悪人たちを始末する札撒き御行(おんぎょう)の又市らの活躍を描いた『巷説百物語』の第2弾。 今回登場するのは「野鉄砲」、「狐者異(こわい)」、「飛縁魔(ひのえんま)」、「船幽霊」、「死神」、「老人火」の6つの妖怪だ。額に石つぶてをめり込ませた奇妙な死体。何度処刑されてもよみがえる極悪人。そして一国を揺るがす連続殺人事件。妖怪変化のしわざとしか思えない奇怪な事件の影に、又市たちが再び暗躍する。 しかし本書は、前回の単なる焼き直しではない。時系列でまとめると、前作の7つのストーリーの間に今回の各話がそれぞれ差し挟まれるという凝ったつくりとなっている。また「野鉄砲」では事触れの治平、「狐者異」では山猫廻しのおぎんの過去がそれぞれ明らかになる。今回は主要人物たちの内面が、本作の狂言廻しといえる戯作者山岡百介の視点から描きだされ、怪事件そのものに焦点が当てられていた前作に比べ、物語としての奥行きも増している。 さらに後半の「飛縁魔」「船幽霊」「死神」の各話は、それぞれが短編として独立していながらも、土佐の祟り神「七人みさき」をキーワードに複雑に絡みあう仕掛けだ。前作で名前のみの登場だったおぎんの育ての親・御燈(みあかし)の小右衛門がキーマンとしていよいよ登場し、大名家をも巻き込む驚天動地の大仕掛けは一気にクライマックスへとなだれこむ。書き下ろしの最終話「老人火」に待ち構える結末には誰もが驚くことだろう。(中島正敏)
