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俺は用心棒(1)

俺は用心棒(1)
価格:¥ 5,250
出演:栗塚旭
おすすめ度
テレビ時代劇の範疇を超える
原作脚本・結束信二、監督・河野寿一、主演・栗塚旭。 正義の味方が悪を懲らしめる、お定まりの太平楽な勧善懲悪ドラマではない。 体制や権力、あるいは世間の目、時代のありようと、その中を生きる人間との関連が主題である。 重い主題であるが、最後まで目が離せない筋立て、魅力的な主人公、俳優たちの名演技、 ダイナミックな殺陣、美しい音楽、そして何よりヒューマンな内容によって、常時25%近く、 特にスポンサーのお膝元名古屋地区では30%という驚異的な視聴率をあげた。 同名のコミックも発売され、一時代を画したテレビ時代劇である。 1話1話、深い余韻と気掛かりが残り、それが心の奥底に沈潜し、やがて層を成していく。 よい作品は、観終えた後にこそ、真価を発揮するものだ。 『新選組血風録』『燃えよ剣』同様、観る側が年齢を重ね人生経験を積めば積むほど、 それに対応するかのように、この作品から得られる感動は新たなものとなり、新たな発見をもたらす。

ほとんどのテレビドラマは善の役割、悪の役割を付与された人物が登場、
それぞれがそれぞれの役割を果たし大団円を迎える。
しかし『俺は用心棒』はそれ程単純ではない。善悪が非常に相対的なのである。
生来の悪人はわずかしか登場しない。
体制や権威にしがみつく武士、貧困や下級身分から脱するために功名を焦る郷士、
思想信条は無くても時流に乗ろうとする志士、治安悪化の中でひたすら財産保全をはかる商人等が
悪を演じる。しかし彼らも幕末という時代の転換期でなければ、
封建制度下の、ごく小市民的な普通の人間として平凡に生きたのではないか。
明日の読めない「ご時世」だからこそ生み出される悪である。
それはあたかも戦争という異常な状況下で、平凡な善人が殺人者になるのに似ている。
幕末を生きる普通の人々が、その置かれた環境なり状況なりによって、時として悪となる。
しかし悪はそれだけではない。
「回天の事業」を革命だと信じて行動する高杉晋作のような英雄でさえ、
時として庶民の生活を脅かす存在となる。
作者は悪となる行為を憎んではいても、悪となった人間を憎んではいないのである。

時代の渦は容赦なく最も弱い立場の人々を巻き込み、圧迫し、その生活や命を踏みにじる。
主人公は徹頭徹尾こうした人々を守ろうとするが、時代の流れに抗えるはずもなく、
その願いはうたかたに消えていく。
観る者は、庶民の命が儚ければ儚いほど、その死が不条理であればあるほど、
その命の尊さを深く心に刻むことになる。
特攻隊生き残りであった結束信二の生命の叫びを感じずにはいられない。
『俺は用心棒』の精神は、徹底した人間賛歌である。

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