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燃えよ剣(12)

燃えよ剣(12)
価格:¥ 5,250
出演:栗塚旭
おすすめ度
沖田総司という造型
沖田総司。司馬遼太郎の生んだ多くの魅力的な男達の中でも、特に白眉の存在。 彼は決して美少年ではないが、その魂の純潔さゆえの透明性があり、存在そのものが儚く美しい。 山南が「諸天が遣わした童子のような」と評するが、それが最も適切な表現だろう。 「おきたそうじ」と本来濁る読み方を、島田順司演じる沖田は「おきたそうし」と清音で読む。 それがこの透明な存在の沖田に、非常によく似合う。他の作品で「おきたそうし」という発音を耳にしたら、それは明らかに『燃えよ剣』の影響下にあるためである。 沖田は、その師匠である近藤や土方さえ及ばない天才的な剣士であり、誰よりも強い。 新選組隊士たちが何より恐れる「鬼の副長」土方や局長近藤に弟のように、愛されている。 彼自身も近藤や土方を実の兄のように慕い、彼らの良き理解者でもある。そして新選組一番隊組長として、抜群の働きを示す。 しかし彼は、時として新選組に批判的な言辞を弄する。どこか虚無的で、一切の主義主張を受け付けない。自らの思想を開陳することもない。尊王攘夷と倒幕佐幕のイデオロギーが沸騰したこの時代、虚無的なのは、むしろ積極的に脱イデオロギーの立場を明確にしていたことになるのかも知れない。 楠木正成を尊敬し、誰よりも尊王の志が厚かった近藤は、その思想ゆえに生き方に迷いが生じた。そんな近藤に対して、原作者司馬も脚本家結束も、沖田や土方の姿を借りて静かな批判を試みようとしたのかも知れない。 沖田は不治の病を得て、若くして生涯を終える。ドラマでは水車がその命の短さを表現していた。 水車が動きを止めた時、涙が一気にあふれ出た。

「第23話 沖田総司」 沖田とその姉、隊士たちとの別れは、涙を誘う。中でも土方との別れは名場面だ。「今度生まれ変わる時は、お前のような人間に生まれ変わりたい」土方の魂の底から搾り出されるような言葉が胸を打つ。
「第24話 北へ」 土方は榎本武揚とともに、戦うために北へ向かう。斎藤による回顧談は、視聴者への思いやりか。栗塚旭が洋装にかわった時、最早土方歳三その人を見るような錯覚にとらわれた。

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